【第7回】 大衆食堂ANH
カテゴリー: 料理長
ベトナムにやってきてから早々、
毎日そこらへんの大衆食堂や麺屋を食べまくりました。
期待が大きすぎたんか、そんなに旨く感じない。
こんなもんなんかなぁ~ってちょっとがっかりしてました。
でも突然感動したものに出会いました。
Com Suon : コムスン
甘辛く下味をつけたスペアリブを焼いた皿飯です。 旨い旨い。
そこで早速作り方を教えてくれないかなぁ~ってお願いする訳です。
何件か相手にされないっていうか伝わってないっていうか
ようはお断り。
それでも厚かましく別の食堂に行ってはお願いし続けると
やっと1件拾ってくれました。
それがベトナム最初の修行の場、大衆食堂ANH。
ANHは食堂のほかにファングーラオの長屋の密集ゾーンにある
自宅の2階3階の4部屋をゲストハウスとして部屋貸ししてました。
そこで生活しながら毎朝自宅で仕込む料理を教えてやるでって
なんともありがたい返事です。
早速そこに移り住み食堂の味で家庭の味を実習開始。
写真のおばさんは店を切り盛りしている方で
そのお姉さんが食堂全ての料理を作ってます。
100kgはあるかと思う巨体でいつも僕は
Ba バー (おばあちゃん) と呼んでいて実は名前を知りません。
またいつか写真で紹介しますが自分にとっては大事な最初の師匠です。
サイゴンで何十年も食堂を続けていて味への拘りは半端じゃない。
朝7時にシクロに乗って毎日食材をベンタイン市場に買出し。
シクロの運転手もこの巨体に復路は食材も乗り込むんで
傍から見ればシクロをこぐのは無茶苦茶しんどそう。
走っちゃえばそうでもないけど最初のこぎだしはほんま苛酷な表情。
お気の毒で堪りません!
でも毎日おんなじ人。長い付き合いだそうです。
自宅に帰り姪やら女4人で食堂に並ぶ料理をこしらえます。
スープや数品は日々変わるけど基本的には毎日一緒。
人気の料理がアルミボールに数十種類、
みるみるうちに完成してきます。
茹で青菜などサイドメニューを除くと
・Suon Nuong : 甘辛く香ばしい炭火焼スペアリブ
・Ca Kho : 川魚のヌックマム煮
・Canh Ga Ro Ti : 手羽元の甘辛揚げ煮
・Dau Hu Nhoi Thit : 厚揚げの肉詰めトマト煮込み
このあたりが人気の品。
カニのモロヘイヤ汁やここのチキンカレーは甘くて絶品です。
残念ながら今は店をたたんでしまいました。ゲストハウスも。
それでも最初に習った食堂の味が今でも
僕にとってほんまもんのベトナムの味であって
年1回2回ベトナムに戻ってはこういった大衆食堂で
たらふく食べてみたくなります。
連載!ベトナム修行時代の体験談