ベトナム実況②
これはなんの風景かと申しますと
お店で使う看板を製作していただいている様子です。
ここは金物加工の町工場街。
チェーを売る屋台や、宝石ショーケースなど
主にディスプレイで使う棚やメニューや看板などが
通りにずらーっと並べられています。
写真の上半身裸の方は商絵描きさんです。
この町工場周辺のペイントものはこの方が請け負っています。
最近はこのような看板、メニューボードなどは
パソコンなどで処理されたカッティングシートなどが
ベトナムでも主流になりつつありますが、
この町工場周辺は、まだまだこのような人が大活躍しています。
日本でも、ほんの少し時代をさかのぼれば
このような商絵描きさんが主流の時代がありましたね。
駄菓子屋さんの屋根にある看板などがその例でしょうか。
さすが百戦錬磨の技術?
下書きもほどほどに信じられないスピードで筆が進みます。
このような人のすごいところは、いろんなフォント(字体)が頭の中に
インプットされていて、それがその場ですぐに描けるところですね。
この方に限っては、上半身むき出しの情熱、反面クールな顔立ち、
などから仕事に対する内に秘めたプライドも感じられます(?)。
看板を描き出すと、その内容がいつもと違うことに気づいた
近所の人たちが集まってきます。「なにやってるの~?」
と、この写真を撮ったあとには入れ替わり立ち代り
近所のカフェのおばちゃん、中学生らしき若者
工場の若頭、宝くじ売りの行商さん、気づいたら人だかり。
ちょっと見慣れないことに好奇心旺盛な皆さんのようです。
数枚書いてもらう中で、ビールの絵をお願いしたのですが、
「この人はビールが大好きだから、ビールを描くのは得意なんだよ。」
とカフェのおばちゃんが笑いながら教えてくれました。
なるほどビールを描き出したとき、その一瞬、筆の進みが慎重になりました。
それは絵描きの【職人】が、【芸術家】の一面をちらっと見せた瞬間でした。